特定非営利活動法人 土とみどりを守る会
設立趣旨書

  世田谷区奥沢のあたりでは、大正時代以来の歴史を今に伝える建物や宅地内の豊かな緑が維持されることで、落ち着いた良好な街並みが保たれてきました。
しかし、時代の移り変わりとともにそのような街並みが失われつつあり、緑も年々減少していることから住環境の質が低下し、ひいては治安の悪化につながる恐れも出てきました。 そこで、これからは良好な住環境は住民が力を合わせて守り育てていかなければならないという問題意識が、地域に長く居住する方々を中心に高まってきました。

 土とみどりを守る会は、良好な住環境を守り育てることを目的として、奥沢2丁目の住民有志により1998年に結成されました。世田谷まちづくりファンドの最初の助成を1998年に受けて以来、地域の文化や歴史、まちづくりをテーマとした定期的な「つどい」の開催とニューズレターの発行、景観木と街並み選奨の選定、掲示板の設置、チェリーセージの配布、奥沢グリーンマップの制作、といった様々な活動を行ってきました。その甲斐もあり、奥沢2丁目の「大ケヤキのある散歩道」、「奥沢海軍村ゆかりの風景」が、世田谷区地域風景資産として選定されました。2003年度には「土とみどりのまちづくり宣言」が世田谷区風景づくり条例に基づく最初のかいわい宣言として区に登録され、同時に当会が世田谷区の風景活動団体として登録されることで、行政との連携も確かなものとなりました。会員が居住する範囲も奥沢地区全体へと拡大しています。

 今後はこれまでの活動を更に発展させ、行政や学校、NPO等とも連携をとりながら、子どもを含めた一般市民を対象に活動を展開することを目指します。良好な住環境を守り育てる趣旨を、青少年の教育や地域の安全にもつなぎ、住民の相互理解と信頼を築くために、以下のような活動を行います。

・「良好な街並みづくり」 街並みの調和を大切にし、街の歴史を刻む建物など、語り継がれていく風景を皆で守る。そのためには、住まいと街をつなぐものとしての建物の外壁、塀や柵、擁壁などのしつらえの方法や素材選びなどのアイデアを共有してゆく活動を進める。

・「緑化の推進」 街並みに寄与している「景観木」を推奨し、周囲の住民の理解を得て、その保全に努め、新改築時に既存の樹木や生け垣を残す他、壁面緑化などの工夫を通じて、生活空間を豊かにしてゆくための活動を進める。

・「地域のコミュニケーション」 季節の花がある楽しい街並みづくりや、文化活動を通じてご近所づきあいを活性化し、地域のコミュニケーションを深める活動を進める。

・「仕組みづくり」 宅地内の緑の減少等に伴う、住環境の質や地域の安全性の低下を食い止めるために、行政とも連携をとり、良好な住環境を守り育てるための仕組み作りを進める。

 このような活動を充実させるためには、社会的な責任を果たせる組織体制の確立が必要です。また、賛同者である会員組織を拡充し、活動の裾野をより拡大するためにも、法人化による運営を目指すことになりました。土とみどりを守る会の活動により、心安らげるような良好な住環境が維持され、それを次世代につなげるための一助となるようなNPO法人を目指すものです。

         平成20年5月17日
                  特定非営利活動法人 土とみどりを守る会 代表理事  堀 内 正 弘