あこがれの町奥沢にて
 奥沢2丁目 堀尾 隆文・佳美

第40号 2010.8.1

 ギヤラリーくら蔵の堀尾と申します。はやいもので4年目を迎えようとしております。その間、奥澤 共栄会はじめ、ご近隣の皆様にあたたかく見守っていただき心より御礼申しあげます。

 奥沢に店を出させていただき思うことがあります。みどりが豊かで、土と花の香りがすること、子供達が礼儀正しく笑顔がすばらしいこと、とても静かな町で時間がゆっくりとすぎていく感じさえします。

 今から30年前のことです。同い年の従兄弟が、大学入学のために下宿生活を始めました。それが奥沢でした。京都の西陣から上京してきた彼は、石垣と生け垣をめぐらしたこの町並みがとても凛としていて落ち着くと言っていました。

 彼の下宿に遊びに行っては繁華街に夜遅くまで出かけることがありましたが、奥沢駅に降り立つと身が引き締まったのを覚えています。奥沢の町には、そのように思わせる不思議な雰囲気がありました。

 今、世間では人と人との繋がりが希薄になったといわれています。でも、この奥沢では町内いたるところで立ち話をなさっている人を見かけます。そして子どもたちの登・下校時間にあわせたかのように犬の散歩に出かける方、ご自宅の前に出てお掃除をはじめられるご婦人。このさりげない気配りで奥沢のすばらしい環境が維持されていると思いました。

 私はこの町が益々好きになりました。

 今年も奥澤神社の大祭が近づいてまいりました。奥沢にきまして三回目のお祭りになります。三年前に一緒にお祭りに参加しませんかとお誘いを受けたときは厳粛な神事なのに新参者の私たちがお手伝いしていいものかと正直迷いましたが奥沢は住む人にも新しく訪れた人にも優しい町でした。  本年は奥沢への感謝の気持ちと、みんな が幸せに暮らしていけるよう祈願して、大 祭のお手伝いをさせていただこうと思っています。