「みどり」とともに守りたいもの
 奥沢2丁目 三井 格、恵子

第5号 2001.7.1

 私共家族が奥沢に住み始めて、今年で4年になります。初めてこの地を訪ねたのは3月末のことでした。

 生け垣のレッドロビン(ベニカナメモチ)の新芽が美しく、あたかも御近所で話し合われて2丁目の町並みに赤い縁取りを施したように思われました。豊かな緑と利便性、そして落ち着いた雰囲気に惹かれ、迷う事なく転居を決意しました。住み始めた後に、この辺りがかつて海軍村、ドイツ村と呼ばれていたことを知り、成熟した街の歴史の思いを馳せていきます。

 2−33の松田さんのお庭にあった大きな木々を、子供達は「木のトンネル」と呼んでいました。息子の幼稚園への往復で、3年間そのトンネルをくぐりました。卒園間近に姿を消してしまった時には、息子と一緒に「寂しいね」と残念に思いましたが、子どもたちの思い出の中で、大切な一コマになっていることでしょう。

 この数年の間にも、徐々に緑が少なくなっているように思いますが、それでも季節毎に、小鳥のさえずりが聞こえ、美しい花が香り、そしてさまざまな緑が目を楽しませてくれます。住んでいらっしゃる方々の街を大切に思う気持ちが伝わってくるようです。

 何が起こるかわからない最近の社会では、地域の方々との結びつきやコミュニケーションがますます必要となっています。「みどり」とともに守っていかなければならないものがたくさんあると感じます。  家族が家路に着く時、買い物に出る時、散歩をする時、これからも心安らげる街であることを望み、自分たちができることを考えていきたいと思います。