第72回 2018.8.22
私は35年前脱サラをして念願だった自分のお店を持ちたくて探している時、知人から目蒲線の奥沢に空き店舗があると言われ(今の目黒線です)世田谷区内で家から遠くないところと思っていたので、自由通りを行けば直ぐだと聞いて、自由が丘を通り過ぎその先が奥沢でした。ここは世田谷区内だと初めて知りました。駅前には小さな広場がありその真ん中に石で囲まれた噴水が白い水を噴き上げて、その周りに3本の大きなケヤキが噴水が囲み、ベンチでは本を読んでいる人や子供におやつを食べさせている人が居て、その広場をL字に囲むように道路があり、商店が何軒か並んでいる所のビル2階にテナント募集の文字が!私は駅前と言うことで迷いもなく決めてしまったように思います。
9月には奥沢神社の世田谷無形民俗文化財に指定された大蛇祭りが有り、御神輿が6基駅前に集まり奥沢神社まで宮入が行われ、その時は駅前広場に御神輿を見る人でいっぱいになります。
又、噴水広場のケヤキに夕方になると何処からともなくスズメが集まって来て暗くなるまで鳴いています。スズメのお宿になっている時期もあるようです。ある時年配のお客さんに駅前広場は世田谷百景の100番目だと聞かされ、この噴水の形について話してくれた事があります。この噴水は母という字をイメージして作られているのだと言っていました。それは石組で四角に作られ真ん中を横に仕切られ、その仕切られた両側に水が吹き出ています。言われてみれば母の字のように見えます。
今は広場の周りは高いビルが出来、昔に比べるとマンションも多くなり、人口も増え、その横を大勢の人たちが行き交う駅前広場になっています。
平成に入って噴水の周りも整備され【ふんすい広場】と名前が付き休憩場所になっています。 私は駅前を見ながら奮闘している毎日です。