おくさわ今と昔『今』

住んで良かった奥沢に!
 奥沢2丁目 村崎 さわ  

第14号 2004.1.1   昭和51年春3月、主人の会社が東京に本社を移行するにあたり兵庫県芦屋市より、東京東玉川1丁目に引っ越して来ました根っからの関西人一家です。東京の生活が始まった頃、玄関や窓を開ける度、山が見えていたのが見えないものだからとても淋しく感じたのを思い出します。近年は芦屋もマンション建設ラッシ ュとか―友人の便りで知り何処の地も同じご時世だなあ―と。ようやく東京の水にも慣れ東玉川に20年、奥沢に越して8年、この地にやっと居心地の良さをつかむことが出来たのも何かのご縁があったからでしょう。今から20年以上前友達と自由が丘によくお買い物に歩き廻っていた頃、この近くに住めば便利でいいだろうなあ―と。真剣に思ったのも遠い昔のことになりました。その時の奥沢の印象は家々の庭木がよく手入れされ緑も多く静かなちょっと古風な街並みという印象が残っていましたが、今住人になって…

忘れ物
 奥沢2丁目 長瀬 幸枝

第15号 2004.4.15  奥沢に引っ越してから、もう十年になりました。「とに角 三つの私鉄の駅へ十分以内で行けて それぞれ JRに連絡しているのよ。」と説明すると、友人は驚いた様子で、とても信じられないといった感じです。ここは大変便利な所です。その上他の町から戻り、緑が丘の駅頭に立って我が家に向かう道を歩き出すと、まず 緑の豊かさに感動してしまいます。お手入れの行き届いた左右のお宅の生垣から、大切に植えられた木々の枝が冬空にくっきりと浮かび上がり、常緑とは云え、 冬とは思えない緑を豊かに湛えています。  お正月が過ぎ、まず春の魁の梅の花が咲き、続いて椿、沈丁花、辛夷、木蓮等、次々に咲き始めます。歴史を感じさせる見事な桜の木に花々が咲き揃い、そして舞い落ちる頃、この道の傍らに花びらの帯ができ上がります。夏には欅の大樹の陰に吹き寄せる風の何と涼しいこと。小鳥たちも枝から静かな道に降りて遊…

品品は奥沢から発信
 奥沢 2 丁目 品品(しなじな)小林 健二

第16号 2004.7.17  平成14年11月14日に、品品は奥沢にOPENしました。その前は、空間構成の勉強の為、アメリカのオレゴンに約1年程、盆栽の勉強をしてきました。その後代官山で、茶の湯の伝統を現代に蘇らせ、緑を中心に生活のインテリアとして盆栽の手法を用いた形で表現し、掌に乗る自然から庭までを創るディレクターとして勤務していました。独立する為、お店を構えようと店舗探しにいろんな町や場所を見て来ましたが巡り巡って、自分達が理想とする場所、仕事ができる環境にピッタリの場所を奥沢で見つけることができました。夏の暑い季節で、緑ヶ丘駅からお店にぶつかる 道を汗だらだらになりながらも、町並みの豊かな緑と行き交う住民のみなさんの笑顔を、スタッフ一同喜んで眺めて いたのを思い出します。  私はアメリカや代官山のお店に勤務する前は公園や緑道、都市計画までの設計をしていて、人と自然にやさしい町づくり…

「市民」の街奥沢
 奥沢2丁目 竹内 加代子

第17号 2004.10.11  隣の緑が丘からこの奥沢に越して今年の夏で6年が過ぎました。当時幼稚園に通っていた長女は6年生に、オムツをしてヨチヨチ歩きだった次女は2年生になりました。早いものです。  実は、娘が区立幼稚園に通っていたこともあり、当初は目黒区内で家を探すのが条件でした。ところが、何件か家を見てまわっているうちに住環境の大切さを感じる様になりました。それでこの奥沢を選んだのです。自由が丘からほんの数分の所なのに、広々とした家々には緑があふれ、静でゆとりのあるこの街並みが気に入ったからです。  そして、住み心地の良さを日々感じながら6年が経った今、改めて思うことがあります。それは住環境の良さとは、決して広い屋敷や緑の多さといった目に見えるものだけではないという事です。  私が家の前で花の手入れをしていると、よく皆さんが声を掛けてくれます。それがきっかけでご近所にとけ込む事が出…