奥沢の「古い家」に学ぶ

奥沢2丁目には「奥沢海軍村ゆかりの風景」として世田谷地域風景資産に登録された、昭和初期の住宅が残っています。
 それらに共通するのは、住宅のスケールになじんで一体感の感じられる緑の配置、自然を感じさせる素材と色彩、そして通りからの見え方を意識した風景づくりです。
 このようなエッセンスを新しい建築にも活かしていきたいものです。

 奥沢地区では住宅内の緑によって、落ち着いた住環境が保たれています。しかし残念なことに、時代の移り変わりとともに、緑が失われつつあります。
 土とみどりを守る会では「景観木」や「街並み選奨」を選定し、平成16年には「奥沢・土とみどりの街づくり宣言」を締結しました。これらの取り組みの趣旨は今でも変わっていませんが、その対象とする範囲が限られていたので、より広い範囲にお住まいの方とアイデアを共有するために、このガイドを作りました。 これから奥沢に住まわれる方にもメッセージをお伝えできればと思います。
 奥沢の古い家には、今でも通用する、緑豊かな街並みをつくるための基本があります。このガイドでは、そのエッセンスを込めた「開かれた庭」というキーワードを使って、緑豊かな街並みを次の世代に継承していくことを提案します。

 これはいわゆる「旗竿敷地」の通路部分ですが、通りからの見え方を意識した作りになっています。よく手入れされた庭木に、住まい手の気配りが感じられます。