第26号 2007.1.23 我が家の仏壇の引き出しに、義父が書き残した師息集という冊子があります。江川家の家系図、家紋、出生、結婚、死亡など家族の消息が記録されています。それによると、義父は新潟県五泉市の本家より分家して、昭和13年(1938)奥沢に居を構えたとあります。 姑の話によると、家の東側のぬれ縁に立つと、奥沢駅ホームにいる義父の姿が見えて、手を振って「行ってらっしゃい」をしたそうです。まだ家もあまり建っていなかったそうで、現在ではとても信じられない、のどかな風景だったようです。 昭和33年(1958)私は江川に嫁ぎました。当時、江川の家は、入り母屋造りの屋根、赤金の雨樋、玄関は 二枚の格子戸を左右に開けるなど、平屋の純日本家屋でした。門かぶりの赤松があり、サツキの生け垣は、花の季節になると、美しい紅色に染まりました。 野趣豊かな庭には、泰山木、モチの木、モミジ、柿などが…