世田谷城址(ⅱ)城郭構造、土塁、堀 さて、世田谷城址の城郭構造をみてみよう。城址として土塁が残されているのが、世田谷城址公園と隣の東京都公社豪徳寺アパートであり、土塁・空堀井戸・土坑・溝・釜跡等が現存している。いくつかの曲輪(郭)は区画がはっきりしていて、世田谷城址公園として既に整備されている。但し、現在のような姿の石垣は当然のことながら当時は存在していないと考えられる。 世田谷城址公園は、入口に設置されてある石碑を読むと、世田谷区が東急の前身である玉川電気鉄道より所有地の寄付を受け、公園にしたようである。世田谷城址では豪徳寺の第1次調査に続いて第2~6次調査及び立会調査が行われている。東京都公社豪徳寺アパートの隣にあったパナソニックの社宅は他社の所有となり、2005年に共同住宅建築工事の届けがなされた。東京都旧跡である世田谷城址範囲内であるので、現状変更届を出させ、立会調査を実施、建物…